電波はどこでも忍びこむ漫画評価・紹介 ≫ 新暗行御史


漫画評価


 タイトル
 新暗行御史

 作者名
 尹仁完・梁慶一

 レーベル
 サンデーGXコミックス

 巻数
 全17巻+α

 発売年
 2001.8〜2007.10

 内容・感想
 市井に入り込み役人の不正などを暴き罰する。朝鮮半島における水戸黄門的人物のお話。暗行御史というらしい。作品世界には普通に魔法とかが存在するのでかなり派手。印籠で軍団を召喚する。

 主人公の過去の清算が主な物語展開。
 戦闘は多いがインフレ率があまり高くなく、主人公最強モノといったふうに単純化されていない点から、飽きが少なく長く読める作品。

 タイトルの新は新説とかそういった意味だと思うのだが、暗行御史なんて朝鮮人ならいざしらず、日本人は一万人に一人が知ってるかどうか程度で誰も知らんよなぁとか思ってみたり。暗行御史の物語がまるで知られていないのにいきなり新説ですとか言われても「何それ」としか返せないのでいかがなものかと。
 しかし、知名度は別にして、作品の完成度はかなり高い。
 キャラクターの息づかいが聞こえてきそうなほどリアルな描写、お使い的余計な要素を極力排除して物語を進める姿勢には好感が持てる。
 不満な点は、時々お寒いギャグが差し込まれるところ。この表現は同じく朝鮮半島出身の漫画家Boichi著のサンケンロックにも見受けられることから朝鮮半島独特の文化なのだろうと思われる。

 それにしても朝鮮半島出身の漫画家は絵が上手いのと絵が下手なのとの両極端な2パターンしかないのが面白い。
 それも上手い絵は決まって塗りが濃いめで肉体をしっかり描いており、下手なのはへなちょこ線で日本漫画の不完全トレス。
 才能がなければ楽なほうに逃げるということなのかもしれない。
 漫画の内容とは別の点でも興味深い。

 評価
 絵         ★★★★★★
 ストーリー構成 ★★★★☆☆
 演出       ★★★★★★
 セリフ       ★★★★☆☆
 スケール     ★★★★★☆

 おすすめ度
 ★★★★★☆


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