ラノベ評価


 タイトル
 カオスレギオン

 作者名
 冲方丁

 イラスト
 結賀さとる

 レーベル
 富士見ファンタジア文庫

 巻数
 全7巻

 発売年
 2003.2〜2004.12

 内容
 銀髪の男の腕に抱かれ、女はまるで眠っているように見えた。
 その胸から流れ出る血は、すでに勢いを失っている。
 男は凄まじい形相でこちら――赤髪の男が手にした聖咎の剣を見つめた。
 血に濡れた剣は、二人を戻れない未来へと誘ってゆくのだった……。

 天界と堕界を分かつ混沌の大地、アルカーナ大陸。
 その地で、赤髪の黒印騎士ジークはある男を追っていた。
 名をドラクロワ。
 かつて理想を掲げ合い、共に戦った友。
 だが、今は倒すべき相手。
 二人の間に一体何が? その決着とは ?
 一途ゆえに切ない者たちの戦いが今始まる!
 消せない絆を賭けた、大軍勢バトル・ファンタジー。

 感想
 第一回スニーカ大賞で金賞を取ったというのに、まるで知名度のなかった冲方先生の名が知れ渡った記念すべき作品……だと私は思っている。
 このへんから、マルドゥックやファフナーなどに手を出しているのは何か心境の変化でもあったのだろう。たぶん。

 さて、この作品はカプコンからもPS2ソフトで発売されているのでノベライズという扱いをされているようだが、実際にはこっちがドラゴンマガジン200号記念に連載され始めてからゲームは開発され始めたようである。
 本編となる聖戦魔軍篇はゲームに合わせて書かれており、それ以降の0〜05は外伝扱いで過去編となっている。
 そう、過去編のほうが長いのである。
 ドラゴンマガジンに連載されていたのは過去編だったので、きっと人気があったのだろう。

 少々くせのある文体で好みは分かれると思うが、壮大なスケールと人間模様が描かれた傑作であることに間違いはない。
 過去編はパターンができてしまっていてマンネリ感があるが、その中で展開を工夫しているところが面白く見どころである。

 評価
 文章力 ★★★★★★
 独創性 ★★★★★☆
 スケール★★★★★☆
 イラスト ★★★★★★

 おすすめ度
 ★★★★★★


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